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全ページ 社会・環境報告書 PDF目次 | CSR報告書(Sbook) | CSR(社会・環境) | 伊藤園 report all 2014

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(1)

Sustainability Report 2014

共有価値の創造

CSV

産業集積:茶産地育成事業×地方経済の活性化 バリューチェーン:トレーサビリティ×食の信頼 製品・サービス:特定保健用食品×お客様の健康

人づくり・地域づくり

ESD

ESDな従業員

①茶殻リサイクルシステム ②「お茶で日本を美しく。」 ③④ティーテイスター制度 ⑤お~いお茶新俳句大賞 ⑥グローバル展開

社会対応力

CSR

組織統治/人権/労働慣行/環境/公正な事業慣行/消費者課題/ コミュニティへの参画及びコミュニティの発展/グループ各社の主な取り組み

世界のティーカンパニーを目指して

(2)

伊藤園グループは、長期ビジョンである「世界のティーカン

パニー」の達成に向けて、中期経営計画で国内収益基盤の

強化と、グループ全体でのブランドの強化とシナジーを創出し、

持続的な成長を実現していくことを掲げています。また、海外

事業基盤の確立へ向けて、戦略的投資を継続し、茶系飲料

やティーバッグ、粉末茶などの各国市場への浸透を図ります。

創業以来掲げている社是を基本に、全社員が「今でもな

お、お客様は何を不満に思っていらっしゃるか」という問題

意識を常に持って「お客様第一主義」を実践している伊藤

園グループ。これからも、社員一人ひとりが、事業を通じた

CSR活動を推進して社会・環境の持続可能性に貢献してい

きたいと考えています。

中長期経営方針と経営戦略

お客 様をはじめとする関 係 者 の 皆 様との 連 携・協 働

が 重 視されている今 、伊 藤 園グループでは、国 際 規 格

ISO26000により、国際標準の体系に即して事業を通じた

CSRを実践しています。また、原料調達、製造、販売、消

費といったすべてのプロセスにおいて「共有価値の創造

( C S V )」を目指しています 。

「 茶 畑 から茶 殻まで」のバ

リューチェーンで、食料自給率向上、健康、食の安全、環境

など、社会的課題にどう貢献できるかを的確に認識し、特

に、環境・消費者・コミュニティ課題を重点分野としたCSV

活動を強化しています。これにより体系的なCSRの推進と

合わせ「経営とCSR/CSVの統合」を目指しています。

伊藤園グループは、関係者との緊密なコミュニケーション

を通じて、皆様のご意見から学ばせていただき、そこででき

た輪をつなげていくことが重要であると考えています。この

ため、

「経営とCSR/CSVの統合」を担う「人づくり」を重視

し、ESD(持続可能な開発のための教育)の手法を活用し

「教育CSR」として推進しています。

(3)

経営とCSR/CSVの統合を図り、

人づくりを重視し、

世界のティーカンパニーを目指します

伊藤園では全国各地の社員が地域密着型のルートセー

ルスを地道に行い、地域の皆様とのコミュニケーションに努

めることで「環境にやさしい」

「人にやさしい」

「社会にやさ

しい」企業を目指す取り組みを実践しています。

本誌では、2013年に受賞したポーター賞の受賞理由と

なった当社のユニークなビジネスモデルの特長と、CSR・

CSV・ESDの3点を統合している活動を皆様に分かりやす

くお伝えするための特集を掲載しています。また、財務情報

と非財務情報の統合の動きも考慮した形でまとめました。

現在の私たちがあるのは、数多くの関係者の皆様に支

えられてきたからにほかなりません。皆様の期待に応え、社

会・環 境の持 続 可 能 性に寄 与する「 世 界のティーカンパ

ニー」を目指し、お客様、社会・環境と新たな価値創造を実

現していきます。

※CSR : Corporate Social Responsibility 「企業の社会的責任」 ※CSV : Creating Shared Value 「共有価値の創造」

※ESD : Education for Sustainable Development 「持続可能な開発のための教育」

社会・環境の持続可能性へ向けて

To p M e s s a g e

株式会社

(4)

0 125,000 250,000 375,000 500,000

売上高(連結)

'14 '13 '12 '11 '10 (百万円)

(4 月期) 332,984 351,692 369,284

403,957 437,755 0 3,000 6,000 9,000 12,000 '14 '13 '12 '11 '10 (百万円)

(4 月期) 5,996 7,675 9,249 11,24412,096 0 1,500 3,000 4,500 6,000

従業員数(単独)

'14 '13 '12 '11 '10 (名)

(4月30日現在) 5,237 5,278 5,285 5,307 5,339

0 6,000 12,000 18,000 24,000

営業利益(連結) 当期純利益(連結)

'14 '13 '12 '11 '10 (百万円)

(4 月期) 12,453

17,67918,907

20,250 21,100

製品別売上高構成比(単独) 地区別売上高構成比(単独)

■茶葉(リーフ) 8.5%

■日本茶飲料 47.7% ■中国茶飲料 4.6%

■野菜飲料 13.7%

■果実飲料 3.7%

■コーヒー飲料 8.6%

■紅茶飲料 3.5%

■機能性飲料 1.7%

■ミネラルウォーター 2.5%

■その他飲料 4.8%

■その他 0.8%

         (2014年4月期)

■北海道 3.7%

■東北 7.1%

■関東 50.9%

■中部 10.4%

■関西 13.5%

■中国・四国 6.3% ■九州 8.1%        (2014年4月期)

会社概要

■ 会社名 

■ 英文社名  ITO EN, LTD.

■ 本社所在地  東京都渋谷区本町3丁目47番10号 ■ 設立  1966(昭和41)年8月22日 ■ 資本金  19,912,300,000円 ■ 従業員数  5,339名

■ 支店・営業所・出張所  全国30地区 201拠点

■ 工場  静岡相良工場(静岡県牧之原市女神21) 浜岡工場(静岡県御前崎市新野3406-4) 福島工場(福島県福島市荒井北1-2-9) 沖縄名護工場(沖縄県名護市伊差川112) ■ 研究所  中央研究所(静岡県牧之原市女神21) ■ 主な事業  茶葉および飲料製品の製造、販売

グループ主要各社

(2014年4月30日現在)

■ 主な国内関連会社 伊藤園産業株式会社

  株式会社沖縄伊藤園

株式会社伊藤園関西茶業

タリーズコーヒージャパン株式会社

伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズ株式会社 株式会社グリーンバリュー

チチヤス株式会社 ネオス株式会社

■ 主な海外関連会社 ITO EN(USA) INC.

  ITO EN(North America) INC. ITO EN AUSTRALIA PTY. LIMITED Mason Distributors, Inc.

ITO EN Asia Pacific Holdings Pte. Ltd. 福建新烏龍飲料有限公司

寧波舜伊茶業有限公司 伊藤園飲料(上海)有限公司

(5)

0 125,000 250,000 375,000 500,000

売上高(連結)

'14 '13 '12 '11 '10 (百万円)

(4 月期) 332,984 351,692369,284

403,957 437,755 0 3,000 6,000 9,000 12,000 '14 '13 '12 '11 '10 (百万円)

(4 月期) 5,996 7,675 9,249 11,24412,096 0 1,500 3,000 4,500 6,000

従業員数(単独)

'14 '13 '12 '11 '10 (名)

(4月30日現在) 5,237 5,278 5,285 5,307 5,339

0 6,000 12,000 18,000 24,000

営業利益(連結) 当期純利益(連結)

'14 '13 '12 '11 '10 (百万円)

(4 月期) 12,453

17,67918,907

20,250 21,100

製品別売上高構成比(単独) 地区別売上高構成比(単独)

■茶葉(リーフ) 8.5%

■日本茶飲料 47.7% ■中国茶飲料 4.6%

■野菜飲料 13.7%

■果実飲料 3.7%

■コーヒー飲料 8.6%

■紅茶飲料 3.5%

■機能性飲料 1.7%

■ミネラルウォーター 2.5%

■その他飲料 4.8%

■その他 0.8%

         (2014年4月期)

■北海道 3.7%

■東北 7.1%

■関東 50.9%

■中部 10.4%

■関西 13.5%

■中国・四国 6.3% ■九州 8.1%        (2014年4月期)

   グループ

るための

7

つの

キーワード

全国営業網

201

拠点

緑茶飲料発明

30

5つの製品開発

コンセプト

自然

健康

安全

良いデザイン

おいしい

茶系飲料

No.

1

ブランド

「お〜いお茶」

国内荒茶取扱比率

23.8

%

Voiceに寄せられた

製品アイデア

21,290

世界拠点網

13

拠点

(6)

編集方針 本誌は、伊藤園のCSV経営、ESD、CSRについての概念をまとめ、事例やかかわる人の紹介を通して皆様に分かりやすく お伝えすることを目的に作成しています。当社のホームページでは詳細データを報告していますので、併せてご覧ください。

特集

16

共有価値の創造 CSV経営

17

産業集積:茶産地育成事業×地方経済の活性化

伊藤園が挑む地方経済活性化への道のり

19

バリューチェーン:トレーサビリティ×食の信頼

食品企業の基本的使命/

お客様に安全と安心を届ける伊藤園の信念

21

製品・サービス:特定保健用食品×お客様の健康

お茶の伊藤園がお客様の健康のために出した「答え」とは

23

CSV news

経営戦略

07

対談 進化する経営戦略

一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授

名和高司氏

株式会社伊藤園常務執行役員CSR推進部長

笹谷秀光

11

ポーター賞運営委員会レポート

CSVを生む伊藤園の

競争戦略とは

13

伊藤園の価値創造戦略

15

経営戦略に組み込む3つの柱

24

人づくり・地域づくり

ESD

25

ESDな従業員

①茶殻リサイクルシステム ②「お茶で日本を美しく。」 ③④ティーテイスター制度 ⑤お~いお茶新俳句大賞 ⑥グローバル展開 

28

ESDな従業員(番外編):かにゃお突撃レポート!!

29

チーム伊藤園

ともに学ぶ。つながる。明日の未来へーー

31

ESD news

32

社会対応力

CSR

33

組織統治

35

人権

36

労働慣行

38

環境

42

公正な事業慣行

43

消費者課題

45

コミュニティへの参画及びコミュニティの発展

48

グループ各社の主な取り組み

01

トップメッセージ

50

第三者意見

03

伊藤園グループ 会社概要

05

目次・編集方針

(7)

世界で初めての 緑茶飲料 「缶入り煎茶」を

発明

「ナチュラル・ クリアー製法」

の特許取得 「世界初」の

PETボトル入り 緑茶飲料 (1.5リットル)を発売

「ホット対応 PETボトル製品」

の販売開始

2011年度グッドデザイン・ ロングライフデザイン賞受賞 (公益財団法人日本デザイン

振興会主催)

緑茶飲料発明 30年 「お~いお茶」

ブランドが誕生 「お~いお茶 新俳句大賞」開始

'84

'89

'90

'96

'00

'11

'1

4

経営戦略

Management Strategy

伊藤園の原点である緑茶。

緑茶飲料市場を牽引し続けてきた伊藤園の革新のストーリーは、

これからもお茶とともに、世界中へ広がり続ける。

Management Strategy

経営戦略

伊藤園の原点である緑茶。

緑茶飲料市場を牽引し続けてきた伊藤園の革新のストーリーは、

これからもお茶とともに、世界中へ広がり続ける。

伊藤園の原点である緑茶。

(8)

進化する経営戦略

ポーター賞受賞の意義と

CSVの競争戦略

名和氏

 ポーター賞は、競争優位

の事業モデルを築き、優れた収益

性を発揮している会社を表彰する

制度で、毎年4社程度選定し14年

目を迎えます。伊藤園さんは経営

戦略が非常に明快で、この賞の由

来となっているポーターの戦略で言

えば、ポジショニングが明確です。

アルコールは手掛けず、お茶を主

軸に深い戦略性があり、次々にイノ

ベーションを重ねてきた歴史があり

ます。加えて、調達-製品開発-製

造-マーケティング・販売のバリュー

チェーン全体で独自の事業モデル

をつくっている点が評価のポイントと

なっています。

笹谷

 ありがとうございます。当

社は、創業以来、緑茶を中心とす

る無糖飲料市場を創造し、茶産

地育成事業、茶殻リサイクル

システム、独自のルートセール

ス、消費者のニーズに応える

幅広い製品のラインアップな

どの工夫をしてきました。この「茶畑から茶殻まで」のビ

ジネスモデルをご評価いただき受賞につながったことは、

大きな励みとなっています。

 今後は、複雑化する社会的課題の解決と経済的価

値の向上を同時に実現することがますます求められて

きます。その中で、ポーター教授が提唱されたCSV(共

有価値の創造)の考え方は意義深いもので、当社の社

是「お客様を第一とし 誠実を売り 努力を怠らず 信頼

を得るを旨とする」にもあるように、

「社会からの信頼」を

より重視する姿勢にも通じると感じています。

名和氏

 CSVとは、ポーター

の意識の中では競争戦略論

なんです。CSRは、本業で仕

事をして、それとは別に企業市民として果たすべき責任が

あるだろうという理念論。これに対してCSVは、社会的責

任を経営の中心に据えて事業展開すべきという戦略論と

して語っているところが、これまでのCSRと少し異なります。

CSVでなければ企業として成長できないし、結果として顧

客から認められず、株主からもノーと言われるでしょう。要

するに、社会的な価値を提供することが事業そのものなん

だという事業論とCSRを一緒にしたところが、極めてポー

ターらしいと言えます。伊藤園さんがこれまでCSRとして進

めてこられたのは、まさにポーターの言う本業の中で社会

社会からの信頼とCSVが基本

(笹谷)

DIALOGUE

 名和 高司氏

×

笹谷 秀光

(9)

伊藤園は、

「世界のティーカンパニー」へと変貌を遂げようとしている。そのためには何が必要か――

当社が2013年12月に受賞したポーター賞を主催する

一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授 名和高司氏(右)と

当社の常務執行役員CSR推進部長 笹谷秀光(左)が語り合いました。

後継者不足などの課題に対応し、

従来の契約栽培の形態に加え、新

産地も育成する茶産地育成事業を

2001年に始めました。この取り組み

は、茶葉製品(リーフ)と飲料(ドリン

ク)の両方で「お~いお茶」ブランド

を築いてきた当社ならではのこだわ

りです。茶産地育成事業では、農家

の経営安定・地域での雇用創出な

ど社会的課題への解決の一助とな

り、当社には原料の安定調達という

Win-Win関係が生まれています。

荒茶工場なども建設され、ポーター

教授が言われる産業集積(産業ク

ラスター)

※2

のCSVに発展的に近づ

きつつあります。

名和氏

 ポーターが注目したのは、

まさにこういった活動でした。彼が

ユニークだと感じたのは、カカオ豆

やコーヒー豆などに関する同様の

活動が新興国の底上げを主な目的

としている中で、伊藤園さん

は先進国日本での農業に着

目して地域活性化を図った

という点です。

笹谷

  実は、もう一つ力を入れているのがバリュー

チェーンのCSVです。調達での茶葉のトレーサビリティ

確立、製造での委託先企業と開発した緑茶飲料に最

適な充填システムや茶殻リサイクルシステムなどで新た

な価値を生み出しています。販売ではルートセールスで

のきめ細やかな顧客訪問により、さらに顧客ニーズに応

じたCSVを目指します。

名和氏

 単にバリューチェーンを構成する企業を集める

だけでなく、新しいイノベーションを起こしながら産業構造を

つなげている点が伊藤園さんのユニークなところですね。

的価値を高める取り組みだっ

たと思います。

バリューチェーンを通じた

共有価値の創造

名和氏

 ポーターがもう一点強調しているのは、社会

的課題とは何かを明確に把握することです。社会的課

題を明確に踏まえた伊藤園さんの戦略はポーターが提

唱するCSVを先取りしており、受賞式での私との対談

でも語られたポーターのコメントにも示されたように

※1

こがポーターの琴線に触れたのだと思います。

笹谷

 日本の荒茶生産量の約4分の1を取り扱う当社は、

茶園の減少による自給率の低下、耕作放棄地の増加、

社会的な価値を提供することが

事業そのもの

(名和氏 )

DIALOGUE

 名和 高司氏

×

笹谷 秀光

(10)

笹谷

 また、

「お~いお茶」シリーズでカテキンなどの健

康価値を追求してきました。製品の健康価値を重視し、

カテキン緑茶など特定保健用食品の開発と販売にも力

を入れています。製品自体のCSVで消費者に働きかけ

るものです。

名和氏

 健康に良い製品をつくるのは、まさにCSVの

ど真ん中とも言える取り組みです。アメリカのシリコンバ

レーのオフィスに伊藤園さんのお茶を納入している事

例がテレビで紹介されていましたが、苦みのあるお茶を

これは健康に良いと言って皆が飲み始めていることは、

消費者の教育にもなっていると思うんです。先進国の

健康問題に対して、製品を通じて新しいソリューション

を提供しているのは素晴しいケースで、ポーターが今ま

で描いていなかった新しい境地だと思います。

「学び」の人材育成と「学習する経営」

笹谷

 当社では社会的課題の体系と本業CSRを示す

国際標準ISO26000を活用しています。中長期経営計

画に組み込んで本業CSRの取り組みを進め、7つの中

核主題に沿って社内の活動を体系化したところ、社内

外で見える化が進み、CSRは各部署で皆が取り組むべ

きとの認識につながりました。

 CSRは、Corporate Social Responsibilityの略で

「企業の社会的責任」と訳されますが、受動的なニュ

アンスがあるので、むしろResponsibilityの本来的な

意味である「社会対応力」ととらえるべきだと、私は考え

ています。

 今後はCSRやCSVを充分に理解したグローバル人

材の育成が課題となっています。複合的な課題への感

度を養い、ステークホルダーとの関係性を意識すること

が大切です。そのためには、座学だけではなくて自発的

に考えることを習慣付けし、実践から学ぶ姿勢を身に付

けることが必要となってきます。

名和氏

 私の著書『学習優位の経営』では、売る人は

売る人、つくる人はつくる人というそれぞれの持ち場で

完結するのではなく、つながりを重視することでさまざま

な気付きが得られ、より大きく複雑な問題が見えてくると

述べています。その複雑なトレードオフの関係にある課

題を解いていくことによって、初めて偉大なイノベーショ

ンが生まれるのです。

笹谷

 ISO26000では、例えばCSRのC(Corporate)

が省かれ、SR(Social Responsibility)となったよう

に、社会の構成員は皆それぞれの役割を担いつつ、社

会と環境の持続可能性に貢献することが必要な時代

なのです。この中で、パートナーシップ(協働)やアライア

ンス(提携)がさらに重要になってきます。

名和氏

 気付きの多くは、同じ関心を持っているが違っ

た取り組みをしている人から得られます。それは産官学と

いう組み合わせや、他社の取り組みがヒントになるかもし

れません。ほかの取り組みを吸収し、自社の取り組みをど

んどん発信していくことで好循環につながると思います。

笹 谷

 これ から企 業 が 向 かうべき方 向としては 、

ISO26000に沿った7つの中核主題を通して、社会対

応力を付けるとともにリスク管理も行う。その上で事業

強化をすべき分野においてCSVで競争力を強化す

る。そして、この2点をよく理解する人材を育成するため

ESD(持続可能な開発のための教育)を活用し「教育

CSR」を推進して、持続可能性の視点を取り入れる。こ

の3要素CSR/CSV/ESDのSを組み合わせて、これを

「“トリプルS”の経営戦略」として、私は提唱し続けてい

ます。

名和氏

 エデュケーションを経営戦略の一つの柱に入

れていただけるのは、教育者の立場からも素晴しいこと

CSRと「価値共有」のCSV、

「学び」のESDの統合

(笹谷)

(11)

だと思います。最終

的には、一人ひとり

が組織の中でどれだけ自覚を持って自分のこととして受

け止め、行動するかにかかっています。それが日本企業

の強みであり、日本らしいボトムアップにつながります。

笹谷

 この「“トリプルS”の経営戦略」の理論を伊藤園

の社是・企業風土・ビジネスモデルを踏まえて適用したも

のが、伊藤園グループのCSR/CSV/ESDに関する推

進基本方針であり、この中でも特にESDを加味した点

はESD「伊藤園モデル」として打ち出しています。

企業の情報発信のあり方

笹谷

 「三方よし」の時代は陰徳善事、つまり、良いこと

は黙ってやる、分かる人には分かるというのが美徳でし

たが、グローバル時代においては「発信型三方よし」、

つまり的確な情報発信が重要だと私は思います。伊藤

園は情報発信でさまざまな工夫をしており、私もシンポジ

ウム・講演などを通じ情報発信しています。

 CSR報告書についても、本業とCSRが一体化していく

中で、CSRと財務パフォーマンスの両方をお伝えするの

は当然の流れでしょう。統合報告の動きも踏まえ、2013年

のコミュニケーション編を定番化して本報告書の一部に

位置付けるほか、2014年版では経営戦略と関係者への

価値創造のストーリーをお示ししました。また、今回は特

に読みやすさの点にも工夫をこらしています。

名和氏

 今は企業の取り組みを効果的に発信する

リーダーが不可欠ですので、私の主催する会合にも来

ていただきましたが、笹谷さんからのさまざまな発信は

重要だと思います。統合報告は、先進的な企業であれ

ばあるほど率先して行われています。こういった情報発

信は、ブランド価値の向上にもつながりますから、世の中

が伊藤園さんを後追いするような統合報告のスタンダー

ドをつくっていただくことを期待しています。

そして世界のティーカンパニーへ

名和氏 

日本発のグローバル企業は少ないですが、日

本の品質の高さや安全性に対するこだわりは、実は非

常に価値が高いものです。伊藤園さんは日本で素晴

しい事業をされていますが、海外に出ればこの10倍、

100倍は伸びるだろうと思いますし、それだけの価値を

内包されています。先ほどお話のあったアライアンスも

視野に、日本的な価値をグローバルに広げ、

「世界の

ティーカンパニー」として存在感を高めていただきたい

と思います。

 今後はさまざまな分野に事業を拡大し、総合飲料企

業へと成長されることと思いますが、伊藤園さんのお茶

に対する強い思いは差別化の大きなポイントになると思

いますので、お茶へのこだわりを失わないでいただきた

いというのが私の願いです。

笹谷

 本日は、当社の経営戦略をご評価いただき、

貴重なお話をありがとうございました。今後も「世界の

ティーカンパニー」を目指して、よりいっそう努力してまい

ります。

※1 日本経済新聞 2014年1月26日朝刊29面に掲載。

日本的な価値をグローバルに広げていく―

お茶に対する強い思いは差別化の大きなポイント

(名和氏)

DIALOGUE

ある特定の分野における企業や団体が地理的に集中し、ネット ワークを形成することで、地域経済の振興やイノベーションの 創出を目指す取り組み。

(12)

CSVを生む

競争戦略とは

ポーター賞運営委員会レポート

ハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授に由来する「ポーター賞

」。

企業の戦略の独自性に着目するこの賞を、伊藤園は2013年に受賞。

審査にあたった一橋大学大学院国際企業戦略研究科ポーター賞運営委員会の

レポートから、伊藤園の競争戦略を読み解く。

※ポーター賞とは

日本企業の競争力を向上させ ることを目的として、一橋大学 大学院国際企業戦略研究科 が2001年に表彰制度として創 設。賞の名前は、競争戦略論の 第一人者であるハーバード大 学のマイケル・E・ポーター教授 に由来している。

2013年12月5日の表彰式の様子、 一橋講堂(東京都千代田区)にて。 (左)当社代表取締役社長 本庄大介 (右)マイケル・E・ポーター教授

戦略の一貫性と

ユニークな価値の提供

POINT

1

各工程で価値を生み出す

独自のバリューチェーン

POINT

2

伊藤園のバリューチェーンは、それぞれの段階において

ユニークであり、整合性が高い。ここでは、緑茶飲料を中心

に独自のバリューチェーンを紹介する。

伊藤園は、国内荒茶生産量の約4分の1を使用しており、茶葉 調達市場において、規模に起因する価格交渉力を有する。また、国 内の茶園面積の減少を補うために、2001年より、農業者や行政と 協働で「茶産地育成事業」を開始。全量買い上げ契約とともに、新 規・既存農家に対する生産性改善を支援。伊藤園は、高品質な茶 葉を安定的に調達できるメリットを享受。

伊藤園は、調達した荒茶を火入れ、ブレンドし、抽出可能な状態ま で準備する段階までを担う。後工程の茶の抽出およびボトリングは、 製造メーカーに委託。これにより、伊藤園は需要に即した生産量の 調整と、それぞれのパッカーの強みに基づいた最適な生産ラインの 利用に特化しつつ、パッカーとの協働により技術革新を創出。

伊藤園の幅広い製品ラインアップは、基礎研究に加え、特許・ ノウハウに裏付けされたブレンド技術、製造技術などの、茶葉・飲

料に対する研究開発活動が支えている。また、世界で初めての缶 入りウーロン茶と缶入り緑茶を発売したイノベーションの背後には、 お茶を酸化させない製造技術の革新もある。また、緑茶にかかる 特許戦略にも特色がある。

調達

茶葉市場における規模の優位性と

高品質な茶葉の安定的確保

製造

製造メーカーへの委託

研究開発

研究開発活動の充実

伊藤園の戦略は、技術差別化による新市場創造を軸とし

た一貫性を持つもの。量り売り中心の茶葉市場に対しては、

簡便性と保存性に優れるパック入り茶葉商品を開発し、スー

パーマーケットに市場を創造。飲料事業においても、1981年

に世界初の缶入りウーロン茶を発売し飲料市場へ本格参入。

1984年にはお茶の大敵である酸化を防ぐ脱酸素技術を開

発し、翌年、世界初の「缶入り煎茶」を発売するなど、

「無糖

飲料」市場を創造した。その後も、1990年には、世界初の

PETボトル入り緑茶飲料を、2000年にはホット用PETボトル

製品を発売するなど、まさに技術・開発力を基盤とした市場

創造力が強みである。

(13)

一橋大学大学院国際企業戦略研究科ポーター賞運営委員会作成の「活動システム・マップ」を基にデザインを改変。

各活動が融合し調和(フィット)

することで生まれるシナジー効果

POINT

3

伊藤園の事業活動は、高い茶葉調達力が高品質と安定

調達に貢献し、高い技術開発力と製造工程の製造委託メー

カーへのアウトソーシングと相まって、幅広い製品ラインアップ

を支えている。幅広い製品ラインアップは、社員によるルート

セールスによって、顧客ニーズや売り場にあった形で品揃えさ

れて、価格競争を緩和するとともに、新商品開発へのアイデア

創造にもつながっている。

(「活動システム・マップ」を参照)

伊藤園は、全国201の拠点に、すべて社員からなる約4,000名 のルートセールスを有する。商品の説明、商談、配送などの提案型 営業や常に流通や顧客と接することで需要傾向の把握に努めてい る。社内提案システム「Voice制度」も活用。

伊藤園では、全社員がマーケティング志向を持つという理念に 基づき、人材を育成。お茶についての高い知識と技術を有する社 員を認定する「ティーテイスター制度」を独自に設ける。

マーケティング・販売・物流

全国201拠点と約4,000名からなるルートセールス

人的資源管理

全社員マーケティングと独自の人材育成

事業の継続性

生産物流 ブロック体制

設備投資費の コスト削減効果

NSシステム

茶殻リサイクル システム

環境配慮 ナチュラル・

クリアー製法 原料安定供給・

品質向上

茶産地育成事業

全国201拠点の あらゆる売り場

徹底した トレーサビリティ

訪問・対面情報 Voice制度

POSデータ

小売店

ティーテイスター制度

人材の

育成・活用 お茶セミナー販売先での

お~いお茶 新俳句大賞 低い広告宣伝費 国内荒茶生産量の

約1/4を占める取扱量

高い特許力・ 高い製造技術力

パートナー企業 などとの協働 特定保健用食品

お茶で日本を 美しく。 徹底した 品質管理

ファブレス方式

高い原料調達力・

価格交渉力

バリューチェーン・

イノベーション

ユニークな価値創造と

市場創造力

商品の豊富な

ラインアップ

流通・消費者との

接点を強化

「お客様第一主義」

地域密着型

ルートセールス・

システム

(14)

の価値創造戦略

◯消費者の節約志向

◯市場の低価格化

◯経済対策および金融政策の動き

◯輸入原料・調達コストの上昇

◯海外経済情勢の変動

◯消費者ニーズ・価値観の変化

◯消費者の健康志向・簡便化志向の高まり

◯食の信頼

◯食料自給率の低下

◯世帯構成の変化

◯日本の伝統・文化、教育への期待

◯世界における栄養・健康問題

◯地球環境問題

◯生物多様性の損失

◯持続可能性の保持

経済状況

社会動向

環境

伊藤園を取り巻く環境とリスク予測

伊藤園グループの考える“お客様”

とは、

「伊藤園グルー

プとかかわりを持つすべての方々」を意味します。つまり、

すべてのステークホルダーのことです。法令等を遵守し、

“お客様”とともに、財務側面での価値創造のみならず、

社会・環境側面での価値創造も目指しています。

また、その前提として、地球環境を守り、次世代に継承し、

自主的・継続的な環境保全と自然との共生に貢献します。

健全な財務体質・株主還 元。適時適切な情報開示 を行うとともに、株主総会 や定期的な説明会で透明 性ある説明責任を果たす。

株主・投資家

安全・安心な製品を提供 するとともに、健康や嗜好 のニーズに応える製品ライ ンアップの充実。いただく ご意見・ご提案に誠実に対 応し、製品づくりに活かす。

消費者

すべての“お客様”への価値創造

さまざまな 人とつなが

り、共有価値を創造するこ

とで、世界のティーカンパ

ニーを目指 す 伊 藤 園 。中

期 経 営 計 画 の 達 成を目

指し、日々の事 業 活 動で

CSRを実践していきます。

世界のティーカンパニーを目指す伊藤園の戦略

中長期計画スタート

世界のティーカンパニーへ

長期ビジョン

売上高は5%以上の成長

国内飲料事業の営業利益率5%を維持、それ以上の超過収益は 成長のために投資する

1.国内総合飲料メーカーへの  戦略的投資

1.国内収益基盤の強化 2.国内新事業領域への挑戦 3.海外事業基盤確立のための  戦略的投資

2.中国、東南アジアへの進出

飲料、ティーバッグ、インスタントの グローバルブランドの育成

新 事 業 領 域 の 育 成

2014(平成26)年4月期 2017(平成29)年4月期 連結売上高 4,377億円

営業利益 211億円 ROE 10.4%

連結売上高 5,000億円以上 ROE 10% 配当性向 40%

ROE 10% 配当性向 40%

_ 世界のお客様に健康で豊かな生活を提案する_

世界のティーカンパニーへ

世界のティーカンパニーへ

中 期 経 営 計 画

(15)

の価値創造戦略

ここでは、伊藤園が現状や将来をどのように把握・分析したうえで、何を目指しているのか、

その結果、社会にどのような価値を創造する企業となるのかをお伝えします。

緑茶飲料の市場背景(主なデータ)

世帯構成別年間緑茶支出金額(1人当たり) 世帯構成の推移 高血圧※人口割合

9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,373 4,129 7,758

緑茶(リーフ)

単独

茶飲料(ドリンク) 3,456

1,867

1,483

1,000

20,000 (千世帯)

(%) (円)

16,000 12,000 30 25 20 15 10 5 26.4 29.2 16.7 24.8 0

日本 全世界 8,000

4,000

’80 ’85 ’90 ’95 ’00 ’05 ’10 ’15 ’20 ’25 ’30 0

単身(男) 単身(女) 2 人以上世帯

親と子

夫婦のみ

その他

男性

女性

9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,373 4,129 7,758

緑茶(リーフ)

単独

茶飲料(ドリンク) 3,456

1,867

1,483

1,000

20,000 (千世帯)

(%) (円)

16,000 12,000 30 25 20 15 10 5 26.4 29.2 16.7 24.8 0

日本 全世界 8,000

4,000

’80 ’85 ’90 ’95 ’00 ’05 ’10 ’15 ’20 ’25 ’30 0

単身(男) 単身(女) 2 人以上世帯

親と子

夫婦のみ

その他

男性

女性

9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,373 4,129 7,758

緑茶(リーフ)

単独

茶飲料(ドリンク) 3,456

1,867

1,483

1,000

20,000 (千世帯)

(%) (円)

16,000 12,000 30 25 20 15 10 5 26.4 29.2 16.7 24.8 0

日本 全世界 8,000

4,000

’80 ’85 ’90 ’95 ’00 ’05 ’10 ’15 ’20 ’25 ’30 0

単身(男) 単身(女) 2 人以上世帯

親と子

夫婦のみ

その他

男性

女性

伊藤園を取り巻く環境とリスク予測

対等で公正な取引関係 を構築し、健全なパート ナーシップを築く。社会・ 環境の課題解決やお客様 のニーズにお応えするイノ ベーションを生み出す。

取引先

ワーク・ライフ・バランス とダイバーシティへの配 慮。従業員の要望や提案 を取り入れ、いきいきと 働ける職場環境づくりを 推進する。

従業員

相互理解と絆を深めるコ ミュニケーションと協働を 図り、地域の産業・文化・ 環境や特色ある食につい ての応援など、地域社会の 活性化のために貢献する。

地域社会

活動を理解いただき、政策 へ協力するほか、協働関係 の構築に努める。

自治体/NPO・NGO

すべての“お客様”への価値創造

3つのCSR目標

環境にやさしい企業

バリューチェーンを活かします 自然を守ります 「お茶で日本を美しく。」します

人にやさしい企業

人権を尊重します 安全・安心を提供します 良い労働慣行を築きます 「人づくり」に力を入れます

社会にやさしい企業

コミュニティの発展に貢献します 地域との共存を図ります 文化面での貢献をします

世界のティーカンパニーを目指す伊藤園の戦略

資料:総務省 2011 年度 家計調査 資料:国立社会保障・人口問題研究所 2008 年推計 資料:WHO2012年版 2008年調査

(16)

名和氏と笹谷による対談(P.7-10参照)でも話題になった「CSR」

「CSV」

「ESD」。

ここでは、伊藤園グループがいかにこの3つを活用し、

グローバルで競争力を持つ企業へと発展を遂げようとしているのか、その考え方を紹介します。

伊藤園グループCSR推進基本方針 制定:2012年4月 改訂:2014年2月

1. 伊藤園グループは、経営理念「お客様第一主義」に基づき「チーム伊藤園」で社員一丸となってCSR活動を行う。

2. 伊藤園グループは、消費者、株主、取引先、仕入先、金融機関、地域社会、社員などの幅広い関係者(ステークホルダー)の期待に応えつつ、事業活動を行う。 3. 伊藤園グループは、総合飲料メーカーとしての活動の軸である「ビジネスモデル」「製品開発コンセプト」「グループ力」を活かして本業を通じたCSR活動を強化する。 4. 伊藤園グループは、国際規格ISO26000/国内規格JIS Z 26000を活用してCSR活動を進める。これら規格の7つの中核主題である組織統治、人権、労働慣行、環境、 公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展に関する取り組みを行う。その上で、3つの活動の軸を活かして、環境、消費者課題、 コミュニティへの参画及びコミュニティの発展を重点テーマとして位置づけ、社会課題の解決による共有価値の創造(CSV)を実現するべく、積極的な取り組みを行う。 5. 伊藤園グループは、ESD(持続可能な開発のための教育)の考え方を取り入れ、CSR/CSV活動を実践できる「人づくり」を行う。

6. 以上により、競争力を高め、社会に求められる企業として価値を向上させ、世界のティーカンパニーを目指す。

経営戦略

組み込む3つの柱

CSVESD CSR

共有価値の創造 CSV

Creating Shared Valueの略。企業 が事業活動を通じて社会的課題と経 済的課題の同時解決を目指す考え方。 ハーバード大学ビジネススクール教授の マイケル・E・ポーター氏が中心となり提 唱している概念。

伊藤園では、CSVの概念をもとに、社会 的、経済的両側面の共有価値の創造 に挑戦。競争戦略としてCSVを活用し ている。

人づくり・地域づくり ESD

「 持 続 可 能な開 発 のための 教 育 」のこと。 Education for Sustainable Developmentの略。 持続可能な社会・環境をつくるために、社会問 題、環境問題を自らの問題ととらえ、解決のために アクションを起こす人を増やしていく。そのような担 い手を育てる教育のことを指す。

伊藤園では、ISO26000の7つの中核主題ごとに 国際理解教育、人権教育、社員研修、環境教育、 コンプライアンス教育、消費者教育、コミュニティ 教育などを総合的に実施。関係者との協働関係 構築を目指した活動でESDに取り組んでいる。

社会対応力 CSR

「企業の社会的責任」のこと。Corporate Social Responsibilityの略。社会からの信 頼を得るために幅広い「社会対応力」をつ けること。関係者(ステークホルダー)との連 携・協働により、本業を通じて社会・環境の 持続可能性に貢献するための活動。 伊藤園では、企業活動のグローバル化に あたり国際規格のISO26000を羅針盤と し、それに即した7つの原則と7つの中核

主題で体系的にCSRを推進している。

伊藤園グループのCSRの姿

■基本的CSR:ISO26000の7つの中核主題に基づく、経営基盤の強化

■共有価値の創造(CSV):社会課題の解決(お客様の不満解消)と伊藤園グループの成長の両立=Still Nowの実践 (重点テーマである「環境」「消費者」「コミュニティ」でCSVを目指す)

■ESDによる人づくり:チーム伊藤園で実践

世界のティーカンパニーを目指す

組織統治

人権

労働慣行

公正な事業慣行

消費者

コミュニティ

重点テーマ 重点テーマ 重点テーマ

ビジネスモデル 地域密着ルートセールス 川上から川下までの供給体制

グループ力

グループ相乗効果の発揮 製品開発コンセプト

自然

自然 健康健康 安全安全

おいしい おいしい

総合飲料メーカーとしての活動の軸

経営理念 

「お客様第一主義」

 チーム伊藤園で実践

共有価値の 創造(CSV)

基本的 CSR

ESDによる 人づくり

良い デザイン

(17)

共有価値の創造

経営

CSV

伊藤園のCSVの考え方と

3つのアプローチ

「共有価値の創造」のこと。

Creating Shared Valueの略。

企業が事業活動を通じて社会的課

題と経済的課題の同時解決を目指

す考え方。ハーバード大学ビジネスス

クール教授のマイケル・E・ポーター氏

が中心となり提唱している概念。

伊藤園では、CSVの概念をもとに、次

の3つのアプローチで社会的、経済的

両側面の共有価値の創造に挑戦。競

争戦略としてCSVを活用している。

バリューチェーン

製品・サービス

の提供による 社会課題への取り組み

の「競争力強化」と 「社会への貢献」の両立

産業集積

における「競争力の強化」と 「地域への貢献」の両立

(18)

今、日本の地 域 農 業では、過 疎 化、

高齢化、耕作放棄地の増加といった

課題が深刻な局面を迎えている。一

方、地方には都会にはない素晴しい資

源がたくさんある。これらは充分に活用

されているのだろうか。伊藤園は耕作

放棄地なども活用する茶産地育成事

を宮崎・大分・鹿児島・長崎の九州

4県6地区で展開している。

大分県知事広瀬勝貞氏はこう語る。

「2006年から伊藤園さんと始めたこ

の取り組みは、生産者にとっては安定

した価格で全量を買い取っていただ

けることから、長期的な展望のもと大

規模経営が成り立つようになり、雇用

の創出にもつながっています。また、耕

作放棄地の解消にもつながり、大変助

かっています。今後とも、伊藤園さんと

生産者、行政の連携がいっそう図られ

ることを期待しています」。

日本の荒茶生産量の約24%(2013年

地方が置かれた現状

なぜ伊藤園が地方経済活性化?

機械化

IT

食料自給率向上

耕作放棄地減少

農業経営

安定

が挑む

地方経済活性化への道のり

茶産地育成事業   地方経済の活性化

産業集積

4 422,,000000 4 433,,000000 4 444,,000000 4 455,,000000 4 466,,000000 4 477,,000000 4 488,,000000 4 499,,000000 5 500,,000000 5 511,,000000 5 522,,000000

全国国茶茶園園面面積積(hhaa)

58 59 60 61 62 63 64 65 66 67

1998 2003 2008 2013 2000 2005 2010 2013 1995 2000 2005 2010

全国国農農業業者者平平均均年年齢齢((歳歳))

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

全国国耕耕作作放放棄棄地地面面積積 ((万万hhaa))

出典:公益社団法人日本茶業中央会 出典: 出典:

「平成26年版茶関係資料」より伊藤園にて作成。

農林水産省

農業構造動態調査の結果より伊藤園にて作成。

農林水産省

(19)

活動を始めて14年。最近では、茶畑

の周辺に、荒茶加工工場が新設され、

県の茶業研究機関や普及機関との連

携も強化された。また肥料など農業資

材関連企業、大学や農協組織との連

携強化も図られつつあり、茶産地にお

いて産業集積(産業クラスター)化が

進む。現在、緑茶の生産地に見られる

産業集積は、まだまだ発展途上。集積

構造の形成とそれにより生まれる相乗

効果を、どう高めるかが勝負どころで

ある。

多様な関係者が協働し、技術交流

を行うことで、緑茶の付加価値を高め

るとともに、地域のブランド力向上を目

指す。それが、伊藤園の価値でもあり、

地域にとっての価値創出だ。後継者

育成や新規就農者の確保、従事者の

若返りなど好循環も生まれている。地

域にとっては耕作放棄地の解消や雇

用創出によりさらなる地方経済への好

影響が期待される。

度実績)を取り扱っている伊藤園として、

茶葉原料を安定確保するために始め

た茶産地育成事業。お茶のおいしさを

生むのは茶葉の品質であるとの考えの

もと、社員自らが行う「直接仕入れ」に

加え、茶産地育成事業を立ち上げた。

契約栽培茶園に加え、2001年から耕

作放棄地などを活用する新産地事業に

取り組んだ伊藤園。原料の安定調達に

つなげ、栽培技術・ノウハウの提供、収

穫茶葉の全量買い取り契約で農家の

経営の安定化を目指した。一次産業の

振興は地方経済の活性化にもつながる。

形成され始めた産業集積構造

※茶産地育成事業(契約栽培・新産地)

伊藤園は、社員自らが茶産地や茶市場へ 出向き、茶葉の品質を見極めたうえで行う 「直接仕入れ」のほか、茶葉原料の一部 については、茶畑からおいしさを育て上げる 茶産地育成事業(①社員が茶産地の方々 とともに茶葉の品質向上に取り組む契約 栽培茶園、②耕作放棄地などを活用し畑づ くりから茶産地の方々と茶葉を育成する新 産地事業)に取り組んでいます。①と②を合 わせて、茶園の面積は2014年4月現在で 883ヘクタール(ha)まで広がっています。 「お~いお茶」は茶産地

育成事業による専用茶 葉を含む良質な国産茶 葉を100%使用。

◯は生産者/地域の価値、●は伊藤園の価値 茶産地育成事業883ha(契約栽培542ha、新産地341ha)

新産地形成

原料

安定調達

雇用創出

地域活性化

が挑む

(20)

食の安全・安心は、社会からの関心が高い。伊藤園では

原料調達と品質管理への責任を果たすことを最重要課題と

して、製品設計、原料、包装材から製造、流通に至るまで、一

貫した原料調達・品質管理体制を確立。原料段階における

各種検査、独自の品質管理基準に基づく工場での製造など、

製品の安全性確保に努めている。

「トレーサビリティ

」は関

係者との協力による取り組みとして代表的なものの一つだ。

製 品に印 字されたロット番 号を追 跡すれば製 造 工 場、

製造日時、原材料、農家の栽培状況まで把握できるトレー

サビリティシステム。その構築には茶農家や茶問屋、製造

委託先などとの協力が不可欠で困難も多い。幾度となく

話し合いを重ね、製造記録の作成と提出を依頼し、その

結果、2002年、他社に先駆けて緑茶のトレーサビリティシ

ステムを確立した。

食品企業の基本的使命

お客様に安全と安心を届ける 

の信念

社会からの食の信頼に応える―

一貫した品質管理体制

なぜ伊藤園は難関に挑むのか

※トレーサビリティとは、食品事故等の問題があった際に、食品の移動ルートを書類等で特定し、遡及・追跡して、原因究明や商品回収等を円滑に行えるようにする仕組みのこと。

トレーサビリティ   食の信頼

バリューチェーン

食品企業の基本的使命

お客様に安全と安心を届ける 

の信念

伊藤園の

トレーサビリティの

取り組み

、保

使

使

、栽

(21)

専用にんじん 「朱衣」(しゅい)

この仕組みに対して、

「今後も強化することを期待します」

(公益社団法人NACS消費生活研究所所長 戸部依子

氏)とのご意見や、

「仕入先の生産家の方々の意識や行動

も変わってきた」

(伊藤園と45年もの付き合いがある茶問屋

株式会社堀口園 堀口常弘氏)との関係者からの評価する

声も聞こえつつある。消費者からの信頼確保はもちろん、取

引先との連携強化など伊藤園のバリューチェーンの強化に

向けたさまざまな共有価値を生みつつある。

食品企業の基本的使命

お客様に安全と安心を届ける 

の信念

バリューチェーンが生み出す

お客様との共有価値

食品トレーサビリティに関する

消費者(国民)の意識

食品トレーサビリティに関する消費者の意識調査では、 8割近くの人がトレーサビリティの重要性を感じていると いう結果が出ている。

出典:農林水産省 平成23年度食品トレーサビリティ導入準備委託事業報告書

重要である

34.9%

どちらかといえば 重要である

45.7%

どちらとも いえない

12.6%

どちらかといえば重要でない

1.7%

重要でない1.1% 分からない

3.9%

野菜飲料原料においても、専用に んじん「朱衣」(しゅい)の使用による付加 価値創出に加え、海外で生産されたものを 含めトレーサビリティを確保している。

食品企業の基本的使命

お客様に安全と安心を届ける 

の信念

(22)

先日、厚生労働省から発表された『平成24年 国民健康・栄

養調査結果の概要』では、40~74歳の男性の約3割、40~74

歳の女性の約2割が肥満者(体格指数BMI値25以上)という

結果が出ている。肥満は、高脂血症・糖尿病・高血圧などの生

活習慣病とも関係性が深いと考えられているため、誰もが気に

なるところである。

消費者の健康志向の高まりは、飲料業界にもその影響が押

し寄せている。飲料市場全体にみる健康飲料の販売数量は

増加傾向にあり、各社はこぞって研究開発に凌ぎを削り、次々と

新商品を市場に投入。無糖飲料市場を創造してきた伊藤園も

例外ではない。緑茶飲料の幅広い製品ラインアップに、特定保

健用食品の「2つの働きカテキン緑茶」を投入。加えて「2つの

働きカテキン烏龍茶」

「2つの働きカテキンジャスミン茶」をそろえ

“カテキン茶シリーズ”

として、お客様の健康ニーズに応える。

伊藤園が掲げる製品開発コンセプトは、

「自然」

「健康」

「安全」

「良いデザイン」

「おいしい」の5つ。言い換えればこ

れは、伊藤園がお客様や社会へ提供する価値の宣言でも

ある。それを支えるのが、基礎研究に加え、特許・ノウハウに

裏付けされたブレンド技術、製造技術など茶葉・飲料に関す

る研究開発部門(静岡県牧之原市)だ。ここでカテキン茶シ

リーズも誕生した。

お茶に含まれるカテキンは、ポリフェノールの一種。昔からタン

ニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分で、近年その健康性

が着目されている。お茶のプロフェッショナルである伊藤園が、カ

テキンをさらに細かく分類・研究する中でたどり着いたのが、

「ガ

レート型カテキン」だ。

「ガレート型カテキン」には、脂肪やコレス

テロールの吸収を抑える働きがあり、油摂取の多い現代人の食

生活の改善や、健康が気になる人々の期待に応えるものである。

お茶の

お客様の健康のために

出した「答え」とは

健康を望む声の高まり

カテキンを知り尽くした伊藤園だからこそ

成人男女別、年齢別 BMI25 以上の人の割合

女性

出典:平成 24 年国 民健康・栄養調査 第 2 部身体状況調 査の結果より伊藤園 にて作成。

特定保健用食品   お客様の健康

製品・サービス

0

20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 20~29 歳 30~39 歳40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 5

10 15 20 25 30 35 40

(%) (%)

0 5 10 15 20 25 30 35 40

(23)

カテキン茶シリーズは、茶カテキンが含まれるため、体脂肪が

気になる人にはありがたい製品。そのほかにも、コレステロール

の吸収を抑制する茶カテキンの働きにより、血清コレステロー

ル、特にLDL(悪玉)コレステロールを低下させる特長もある。

コレステロールが高めの人の食生活の改善にも役立つ。

「“おいしい”だけでは選ばれない時代。社会課題にも通じ

る“健康”といういわば人類永遠のテーマに挑戦し、

“おいしく

て健康にも良い”製品を生み出したい」

(提坂)。中央研究所

では長年お茶の健康価値を研究してきた。カテキンについて

言えば、その効能は、血中コレステロールの低下、体脂肪低

下作用、がん予防、抗酸化作用、虫歯予防、抗菌作用など多

岐にわたり、これらの効能を活かした製品・サービスを期待す

る人々もいる。今後、伊藤園は製品を通じて、どんな新しい価

値を提供できるだろうか ――。

「和食との親和性も高いお茶の製品開発を通して、これか

らもお茶の素晴しさを世界に発信し広げていってほしい」と

日本経済新聞社生活情報部編集委員の岩田三代氏は期

待を寄せる。

お茶の

お客様の健康のために

出した「答え」とは

伊藤園が製品を通じてお客様に提供した新たな価値とは

株式会社伊藤園 執行役員 中央研究所長 提坂 裕子

「ガレート型カテキン」の有効性試験結果[ヒト試験]

2 0 -2 -4 -6 -8 -10

2ヶ月

カテキンをほとんど 含まない飲料(対照)

ガレート型カテキン 高含有飲料

■脂肪吸収抑制

内臓脂肪面積が有意に低下 悪玉コレステロールが有意に低下

3ヶ月

積(

cm2

10

5

0

-5

-10

-15

1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月

カテキンをほとんど 含まない飲料(対照)

ガレート型カテキン 高含有飲料

■LDL(悪玉)コレステロール吸収抑制

)コ

 

 

  ) mg

/ dl L D L

出典:鈴木裕子ら 日本臨床栄養学会雑誌 29,72-80.(2007)

被験者:BMI 23-30、血清総コレステロールが高め(200-260mg/dL)の健常な男女73名のうち40歳 未満の女性を除く66名(内臓脂肪測定者数)

摂取方法:昼夕食事に1本、3ヶ月間摂取。一方はガレート型カテキンを高含有する飲料を、もう一方は茶 カテキンをほとんど含まない飲料(対照)を摂取

出典:kajimoto O et al. J Clin Biochem Nutr 33,101-111.(2003) 被験者:血清総コレステロールが高め(180-260mg/dL)の健常な男女60名

参照

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わからない その他 がん検診を受けても見落としがあると思っているから がん検診そのものを知らないから

を占めている。そのうち 75 歳以上の後期高齢者は 1,872 万人(14.9%)、80 歳以上は 1,125 万

[r]

専任教員 40 名のうち、教授が 18 名、准教授が 7 名、専任講師が 15 名である。専任教員の年齢構成 については、開設時で 30〜39 歳が 13 名、40〜49 歳が 14 名、50〜59 歳が

件数 年金額 件数 年金額 件数 年金額 千円..

PAD)の罹患者は60歳では人口の7.0%に,80歳では 23.2%にのぼるとされている 1) .本邦では間欠性跛行

日本全国のウツタインデータをみると、20 歳 以下の不慮の死亡は、1 歳~3 歳までの乳幼児並 びに、15 歳~17

中学生 高校生 若年者 中高年 高齢者 0~5歳 6~15歳 16~18歳 19~39歳 40~65歳